腸内環境と認知症

国立長寿医療研究センターらの研究によれば、認知症の人は腸内にバクテロイデスという細菌が少なく、認知症でない人は多い傾向があった。同センターは食生活や栄養環境の面で、認知症のリスクを減らす糸口が見つかるきっかけになる可能性があるとしています。腸内細菌を巡っては、心疾患や糖尿病、肥満に与える影響が指摘されています。認知症発症との因果関係は不明ですが、腸内の細菌状態が脳の炎症を引き起こす可能性が考えられています。
認知症の人はバクテロイデスが少なく、種類不明の細菌が占める割合が多いことが判明しました。年齢や性別の影響を除いた上で、腸内フローラが認知症発症に与える影響の度合いを解析したところ、バクテロイデスが多い人は、そうでない人に比べて罹患率が約10分の1でした。バクテロイデスが少なく種類不明の細菌が多い人は、そうでない人に比べ罹患率が約18倍でした。認知症の早期発見や予防を考える上で、腸内の細菌状態が目安になる可能性があります。

(2019年1月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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