臍帯血移植

 臍帯血移植は、赤ちゃんのへその緒や胎盤に残る血液を凍結保存し、急性白血病などの患者に移植します。臍帯血の中には、血液を作り出すもとになる造血幹細胞が多く含まれています。骨髄移植より手続きにかかる時間が短く、提供者の負担もありません。特に患者が高齢の場合、血縁者も年齢が高くて骨髄提供できないことも多くなります。6569歳の臍帯血移植は、2006年からの10年間で5倍以上に増え、7074歳も増加傾向にあります。
 しかし、多くの病院は6570歳を上限としています。移植すれば治癒の可能性がありますが、40代以上の5年生存率は34割程度です。さらに様々な副作用に耐えることが必要になります。移植の前処置で使う抗がん剤による副作用、移植した細胞が正常に働き始めるまでにかかる感染症、移植した細胞が患者本来の細胞を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)が起こる可能性があります。
 移植を受けるには、本人の強い意志が必要になります。人生の終盤を病気と共存しながら、移植せずに穏やかに過ごすことも選択肢の一つです。本人の意思と認知機能や体力などを重視し、移植可能かを判断することが大切です。高齢でも活動的な人が増え、厳しい治療に挑戦して完治を望む患者さんは今後も増えてくると思われます。

(2017年10月13日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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