良い汗と悪い汗

気温が高くなったり、運動をしたりして体内に熱が生じると、汗腺から汗を分泌し、皮膚から蒸発させることで体温を調節しています。汗腺は血液から血球を除いた血漿をくみ上げて汗の原料としていますが、体に必要なミネラル分はろ過して血液に戻し、残った水分が汗となります。汗腺機能が正常であれば、汗は小粒で水のようにサラサラしていて、蒸発しやすい良い汗となります。汗腺の機能が衰えていると、ミネラルの再吸収がうまくいかず、大粒でベタベタとした、蒸発しにくい悪い汗となります。水に近い良い汗はほぼ無味無臭ですが、血漿成分が多く残っている悪い汗は、皮膚表面にある雑菌を繁殖させるため不快な臭いを放ちやすくなります。悪い汗は体に必要なミネラルを奪うため、夏バテや熱中症を招く原因にもなります。
汗腺機能を高めるトレーニングとして、2種類の入浴法を組み合わが良いとされています。一つは休眠している汗腺が多い手足の先を、42~43度の熱めのお湯で温めて目覚めさせる手足高温浴です。もう一つは36度前後のぬるめのお湯で体を中心から温め、じっくりと汗をかく半身微温浴です。入浴の前後や最中には水分を補給し、湯上り後は自然に汗が引くまでクールダウンしてから着替えます。この入浴法を2~3週間続けると、汗腺機能が高まります。入浴法や有酸素運動と並行して筋力トレーニングに取り組みと、代謝が高まり、脂肪が燃焼しやすくなることで、発汗を促すことができます。

(2018年4月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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