血液1適でがん早期発見

検査を受けた人のほんの少し血液を調べることで、乳がんや大腸がん、卵巣がんなど多くのがんを95%以上の精度で発見できるようになります。血液によるがんの検査としては、腫瘍マーカーが広く使われています。がんに罹ると血液中に増える特定のたんぱく質や酵素を調べる検査です。しかし腫瘍マーカーは、進行がんでも3~4割程度の患者しか上昇しません。そのため、腫瘍マーカーは主に治療効果を確認したり、再発の有無を調べたりする目的で使われています。
血液中のマイクロRNAを調べる方法が注目を浴びています。マイクロRNAは遺伝子の働きにかかわる物質で、体内に約2,600種類存在します。そしてがんは早期から、特定のマイクロRNAを分泌することで増殖したり転移したりしています。血液中にどのマイクロRNAが増えているかを調べれば、がんの有無やがんができた臓器を早い段階から予測できることになります。必要な血液量は50㎕程度と1適分です。この検査でがんの可能性が高ければ、内視鏡検査やコンピューター断層撮影装置(CT)検査で詳しく調べればいいことになります。

(2019年6月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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