視線耐性とは

視線耐性とは、他人の視線を受け止められる力があるかどうかということです。相手の視線に耐える力、あるいは相手に見つめられても自然体でいられる力を指す言葉です。相手の目を見て会話するのはコミュニケーションの基本ですが、若い世代には苦手な人が多くなっています。視線を合わさず、自信がなさそうな印象を与えると、ビジネスではマイナスになることもあります。以前に比べ近所付き合いが少なくなり、幼少期から対面で接する人が減ったことが視線耐性低下の一因と考えられています。
対策としては、人と向き合った時に目を見るのではなく、ぼんやりと眉間に視線を向けます。自分は相手の目を見ていないため、ストレスを感じずに済みます。一方、相手はさも目を見られているかのように受け止めます。視線を感じているので不快な気持ちにさせることもありません。体の動きも重要です。相手の言葉に逐一うなずけば、真摯にコミュニケーションをしようという姿勢を伝えることができます。話を聞いていることが伝われば、必ずしも目を見る必要はありません。大事なことは、日常生活から意識して様々な人と接することです。SNSに過度に頼ると、元々苦手だった目を合わせてのコミュニケーションがますます億劫になってしまいます。人とのやり取りがネットだけにとどまらないよう、心がけることが大切です。

 

(2018年12月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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