診療ガイドライン

 学会が作成するガイドラインに、患者の意見を反映させるため、患者が参加するケースが増えています。医師と一緒に治療方針を決めていくには、患者や家族の側も情報を正しく理解する必要があります。日本医療機能評価機構の調査によれば、2014年までに発刊され、国際的な基準を満たすと認められたガイドライン166件のうち、21件で患者らが作成に関わっています。
 診療ガイラインには標準的な治療の選択肢やその推奨度が掲載されています。通常は医師が読むことを想定して書かれており、専門用語も多くなっています。ただ、サイトで公表されたりしているガイドラインもあり、読みこなすことができれば、自分が受ける治療の位置づけを客観的に知ることができます。医療現場では、医師が患者に十分説明した上で同意を得るインフォームド・コンセントが定着しています。さらに、医療の進歩で治療の選択肢が増えるとともに、患者が自分の希望や価値観を医師と共有し、一緒に治療方針を決めていくという考え方が広がっています。

(2017年3月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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