認定遺伝カウンセラーの養成

遺伝子検査の内容を説明する認定遺伝カウンセラーの活躍の場が広がってきています。遺伝カウンセラーは、日本遺伝カウンセリング協会と日本人類遺伝学会が認定する制度です。担い手が不足する背景には、養成大学の少なさと教育体制が十分に整っていない事情があります。遺伝カウンセラーは、大学院で2年間、講義を受けて修士論文を執筆するなどし、卒業後に年に1度行われる試験に合格することで資格を得ます。
大学院は全国に15カ所しかなく、1つの大学の定員は4人程度です。講義は病院での実習を重視し、マンツーマンで指導するため、学生は少数にならざるを得なくなっています。教員として働く遺伝カウンセラーの数も足りていません。遺伝カウンセリングの普及が進む欧米では、30~40人ほどを1つの教育機関で育成できる体制が整っています。安易な増員は質の低下につながりかねません。高い教育レベルを維持しながら、養成大学や定員を増やしていくことが課題となっています。

(2018年9月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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