認知症の予防

認知症になりやすいリスクを見つける観察型研究は多くみられます。一定の集団を長期間観察し、認知症になった人とならなかった人の間で、生活習慣やほかの病気、教育歴などがどう違うかを調べるものです。英医学誌ランセットは、2017年に世界の複数の研究を解析し、予防できる可能性がある9つのリスクを発表しています。中年期に高血圧を治せば認知症の発症を2%減らし、高齢期に運動不足を解消すれば3%、9つ全てのリスクをなくせば35%抑えられる可能性があるとしています。
WHOは、認知症予防ガイドライン(指針)を発表しています。強く推奨するのは、健常者の運動と喫煙者の禁煙、高血圧患者の降圧と糖尿病患者の治療です。政府は、認知症対策の方向性や目標などを盛り込んだ初の認知症大綱の原案を提示しています。認知症の人の共生とともに、予防対策を強化したのが特徴です。今回の大綱案では、70代の認知症の人の割合を2025年までに6%減らすなどの数値目標を掲げられています。ランセットの発表も裏を返せば、9つ全てのリスクをなくしても65%の人は認知症を防げません。最大の発症リスクは長生きであり、努力しても発症は免れないかもしれません。

(2019年5月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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