認知症の種類

 厚生労働省研究班の推計によれば、認知症の高齢者は2012年時点で462万人に達しています。高齢になるほど発症しやすく、85歳以上では男性の5割弱、女性の6割弱が発症するといわれています。団塊世代全員が75歳以上になる2025年には、65歳以上の5人に1人にあたる約730万人が認知症になるという推計がされています。認知症になると記憶が抜け落ちたり、日時や場所が分からなくなったり、家事の段取りが立てられなくなったりします。周囲の人との関係や本人の性格によっては、妄想や徘徊などの症状が出ることもあります。認知症には種類がいくつかあって、記憶障害を伴うアルツハイマー型が全体の7割を占めています。次に多いのが高血圧や糖尿病などに伴う脳血管障害によって起こります。
 一方、認知症の場合、忘れたという自覚が乏しくなります。食事をしたのに「まだ食べていない」など、行為自体を否定する例が目立ちます。早めに分かれば、薬で進行を遅らせることも期待できます。グループホームなど、認知症の人を専門にしたサービスもあります。本人や家族が交流する認知症カフェも全国で広がっています。あらゆる手段で、本人や家族の孤立を防ぐことが大切です。

(2017年11月12日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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