認知症の精神科病院への入院

 認知症の介護で最も大変なのは、徘徊や妄想、興奮などの行動・心理症状が激しい時です。体力があり足腰もしっかりしていれば、介護を拒否するなどの行動が、本人にその気はなくても暴力として受け取られることがあります。厚生労働省の研究班によれば、65歳以上の認知症の人は2012年で462万人、2025年には700万人前後になると推計されています。65歳未満で発症する若年認知症は推計約4万人にも上っています。
 富士通総研の調査によれば、精神科病院への入院理由では、もの盗られ妄想や興奮などの行動・心理症状の悪化が最も多く、81%を占めています。医療的な理由ではない家庭・地域・施設で対応できないが41%、家族の疲弊が28%でした。精神科病院より、生活の場である自宅や特養などで受け止めてくれる方が本人にとっていいことは分かっています。介護疲れから精神科病院の長期入院を医師に相談するケースも増えています。いずれにしても、特別養護老人ホームと在宅介護のケアマネージャーらが家族と一緒になって考えることが大切となります。

(2017年7月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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