認知症診断の遅れ

 75歳以上のドライバーは、運転免許の更新時に認知機能検査を受けます。更新期間満了日の6カ月前から受けられます。今は認知症のおそれと判定されても、一定の交通違反がなければ医師の診断を受ける必要がなく、多くの人が免許を更新できています。高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法が、来月施行され、医師の診断が義務づけられる人が一気に増えることが予想されます。
 改正道路交通法では、認知症のおそれと判定された更新希望者すべてに診断が義務づけられます。警察庁は、診断対象者が2015年の1,650人から、年5万人規模に増えると見込んでいます。認知症は症状進行を抑えるため、早期発見・早期治療が大切ですが、受診者増の影響で診察を受けるまでの予約待ち期間が長期化し、診断が遅れることが予想されます。専門医不足も懸念され、診療体制の整備が進まないと、一般の人を含む患者の診断・治療が遅れるおそれが出てきます。

(2017年2月18日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。