起立性調節障害とは

 起立性調節障害とは、循環に関する自律神経の働きが悪く、起立時に体や脳への血流が低下して、立ちくらみや目まい、倦怠感などの症状が出ます。小学校高学年から増え、中学生で急増します。小学生の5%、中学生の10%程度が該当するとみられ、思春期に体が急成長する影響と考えられています。不登校の子どもの34割が、起立性調節障害を伴っているという調査結果もあります。正常であれば、立ち上がった時に重力で血液が下半身に移動して脳への血流が低下するのを自律神経の働きで戻します。それによって血圧が保たれています。しかし起立性調節障害は自律神経がうまく働かず、様々な症状が出ます。
 起立性調節障害の特徴は、症状が変動することです。午前中に体調が悪くても午後には改善することが多かったりします。このため家族など周囲から、怠けていると思われがちで、適切な治療につながらないケースもあります。症状は個人差が大きく、周囲にはわかりづらく、精神的なストレスで悪化することもあります。まずは体の病気として理解することが大切です。水分や塩分を適切に摂取するといった生活療法のほか、血圧を下げないようにする薬などが効く人もいます。

(2017年5月24日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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