転職による賃金増

転職が活発になってきています。IT分野などで求人が増え、民間企業の調査によれば、2017年度は転職者の求人倍率が過去最高となっています。転職後の賃金が1割以上増えた人も3割と、最も高い水準にあります。景気回復による雇用環境の改善は、新たな就業者の増加から働く人の移動へと進みます。大手企業の管理職がベンチャー企業に転職しても、給料が減らない例が増えてきています。
より良い賃金や待遇を求めて職を変える人が増え、転職の市場を広げています。総務省の労働力調査によれば、2017年に前職を辞めて求職した人の62%は自己都合であり、2002年以降で最も高くなっています。転職で成長産業に人が移れば、日本の成長力が高まる可能性があります。少子高齢化に伴う人口減はこれからも進み、成長の制約になります。国内市場も縮む中で成長力を高めるためには、ITを活用して付加価値の高いサービスを生む産業を伸ばし、能力を持つ人がこうした分野に移ってさらに成長力を高める循環が欠かせません。

(2018年4月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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