軽度・中等度難聴児

ささやき声を聞き取りにくい程度の聴力30㏈以上の場合を軽度難聴、大きな声なら聞こえる聴力50㏈以上の場合を中程度難聴といいます。障害者手帳の交付対象は両耳で同70㏈以上です。子どもでは、赤ちゃんの頃にわかる先天的なものと、徐々に聞こえが悪くなる進行性があり、1千人に2~3人程度とされています。
難聴の疑いは、主に生後数日から1カ月以内に受ける新生児聴覚スクリーニング検査(NHS)でわかります。多くの病院や産科医院が実施しており、日本産婦人科医会の2017年の調査によれば、全国1,797医療機関の9割超の1,693施設が可能と答えています。しかし、NHSの費用は数千円で、公的保険適用の対象となりません。厚生労働省はNHSの公費補助を自治体に求めていますが、自費負担でしか受けられない自治体も少なくありません。
NHSの結果、精密検査が必要と判断されれば、対応できる医療機関を紹介されることになります。難聴と診断されれば、医師が補聴器装用と療育の必要性なども説明します。聴覚支援学校や、子ども発達支援センターなどと行政、医療機関が連携し、子どもたちを支援することになります。聞こえに問題がある子どもたちへの支援が広がっています。適切な検査で早めに見つけ、学ぶ環境を整えることが大切です。

(2018年9月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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