通年採用の有用性

これまで多くの企業は、新卒の学生を春にまとめて採用し、入社後に配属先を決めてきました。異動で幅広い部署を経験しながら、昇進し終身雇用する仕組みで採用するのが主流でした。ひとつの会社で通用する能力をいくら身につけても、事業モデルそのものが変われば行き場はなくなってしまいます。終身雇用の時代と違い、従業員も専門的な技術や知識を高め、生産性を上げることが求められています。
しかし、日本企業が強化するAIやフィンテック、データ分析、マーケティングなどで高い能力を持つ人材を、新卒一括採用で見つけることは困難です。こうした人材は、欧米と同様にジョブ型で通年採用するしかないのが実情です。通年採用の推進やジョブ型採用の拡大は、雇用流動化が一段と進む契機になります。経団連と大学側は、新卒学生の通年採用を拡大することで合意しています。

 

(2019年4月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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