週休3日制の導入

国は多様な生活設計ができるように、選択的週休3日制の導入・促進を掲げています。週休3日制は主に3パターンあります。①勤務時間が減る分、給与を減額、②出勤日の就労時間を増やし、総労働時間も給与も維持、③勤務時間が減っても給与維持です。②は出勤日の就労時間が増えて心身への負担は増し、③は時間当たりの生産性の大幅な向上が前提となります。ともに給料が減らないのは魅力的ですが、ハードルは高くなります。
現実的な仕組みはノーワーク・ノーペイ型の①です。休みが増える分、給料も減るので、フルタイム勤務者の理解も得やすいとされています。育児や介護に多くの時間を割きたいという希望は根強いものがあります。しかし、週5日勤務ができないと正社員として働けず、契約・パートなど非正規職に就かざるを得ないケースも多く見られます。正社員のまま休日を増やせる週休3日制は、子育てや介護をしながら、正社員として仕事のやりがいも維持できます。
ノーワーク・ノーペイ型は比較的導入しやすい仕組みですが、課題は仕事の配分です。就労時間が短くなる分、業務量を減らすことも必要となります。成果の評価も困難です。使う社員と使わない社員のバランスの取り方が難しく、使う人に甘すぎるとフルタイム勤務者から批判が出るし、厳しすぎると利用されない状況になってしまいます。

(2022年8月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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