運動による血管の変化

筑波大学でスポーツ医学を研究する前田清司教授は、学内で陸上競技部に所属する中長距離走選手と、運動習慣のない一般学生とで、動脈の硬さを比較しています。結果は陸上選手の動脈の方が柔らかでした。さらに一般学生に運動をしてもらい、血管の硬さに変化が生じるかを調べています。学生10人が、1日1時間の自転車こぎを2か月続けたところ、運動開始前より動脈が柔らかくなりました。中高年に試しても、同様の結果が出ています。

 

運動が血管に及ぼす影響について、国内外で多くの研究が進んでいます。運動をすると血液の巡りが良くなり、血管の内側を覆う内皮細胞が血流でこすられます。その刺激で、血管を柔らかくする一酸化窒素などが放出されます。運動をして血管が柔らかくなるメカニズムは、このように考えられています。

(2019年1月24日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。