運動中の心停止後の生存率

 大阪府民を対象とした東京女子医科大学などの調査によれば、運動中に急に心臓が止まって倒れた人の生存率が、7年ほどの間に2倍以上に高まっています。電気ショックで心停止の状態から回復させる自動体外式除細動器(AED)の普及によるものと考えられています。府内で2005年から2012年までに起きた病院外での心停止事例約56千件が分析されています。うち222人が、ランニングなどの運動中に心臓に問題が起き、心停止状態になっていました。
 倒れたところを目撃された人の1カ月後の生存率は、2005年は29%でしたが、2012年は62%と2倍以上になりました。倒れた人のうち、AEDで処置を受けた割合は、2005年の7%に対して2012年は62%、胸骨圧迫(心臓マッサージ)などを受けた割合も、50%から86%に上昇していました。AED2004年から一般の人も使えるようになり、公共施設やスポーツイベントなどで準備されるケースが増えています。こうしたことが、生存率の上昇につながったとみられます。しかし、回復して社会復帰できた割合を倒れた場所ごとにみると、スポーツ施設で51%と高めでしたが、路上では16%、家庭では6%にとどまっています。

(2017年8月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

 

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