遠隔による死亡診断

 火葬に必要な死亡診断書の交付には、医師による診察が必要となります。心臓や瞳孔の状態から死亡を確認し、犯罪や事故の可能性の有無を調べ、死因を判断します。医師がすぐに駆けつけられないと、火葬までの一連の手続きが滞ってしまいます。このため、離島など医師が不在の地域では、家族らが遺体を長時間保管したり、医師のいる場所まで長距離搬送したりしなければなりません。今後、多死社会が進み、現在、年間約130万人の死亡者は、2040年のピーク時には約1679,000人になる見通しです。在宅でのみとりも増加することが予想されます。
 厚生労働省研究班が、遠隔の死亡診断の指針案をまとめました。指針案では、遠隔診断の対象は、死亡前14日以内に医師が診察し、がんなどの持病で死期が近いと予測された患者としています。実施に際しては、医師が対面しての死亡診断まで12時間以上かかる、医師の代わりに患者の所に行き診断を補助する看護師がいるなどを条件に定めています。

(2017年7月30日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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