遺棄される子ども

 予期せぬ妊娠などで、生みの親が育てられない赤ちゃんが、生後間もなく命を落としてしまう悲劇が後を絶ちません。路上などに遺棄された子どもが、20132016年度の4年間に少なくとも58人いて、うち10人が死亡していたことが、都道府県などへの朝日新聞の取材でわかりました。多くが生後間もない赤ちゃんで、遺棄した人物が判明したケースの7割は実母によるものです。妊娠を家族に打ち明けられず、孤立したまま出産し、遺棄に至ったケースが多いと考えられます。
 58人のうち、詳細がわかった44人の中では、41人が0歳児です。亡くなった10人を含む34人は生後0カ月児でした。遺棄した人物を児相が把握できた25人のうち、実母による遺棄は18人に及んでいます。ほかは実父らによるものでした。望まない妊娠や経済的に育てられない、未婚・非婚、家族や親族からの孤立などが、背景や要因です。産後ケアの重要性が指摘されるようになってきています。予期せぬ妊娠をした場合の相談支援のほか、里親制度や特別養子縁組制度を推進することが大切です。

(2017年9月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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