里帰り出産に必要なこと

お産で一番大切なのは、赤ちゃんが無事に生まれて、お母さんも元気で、2人一緒に家に帰れることです。里帰りの場合、多くは自宅のある都会から地方の実家に帰省するパターンですが、近年、特に地方では、お産を扱う病院が減少しています。まずは帰省先の医療機関の情報をしっかり集め、自宅周辺の医療環境とどちらがより安全か比較することが大切です。
二つ目のポイントは、産褥期(産後の回復期)のお母さんが心身ともに安らげる生活環境が整っているかどうかです。日頃から実家の両親と良い関係を保っていて、手厚いサポートを気兼ねなく受けられるなら問題はないのですが、長年、離れて住んでいて交流も薄くなっている場合、お世話するほうもされるほうも疲れ切ってしまう、というケースが少なからずあるようです。
里帰り出産の場合、通常は妊娠初期から後期のはじめまで自宅近くの産院で健診を受け、32~34週を目安に帰省して、お産をする産院を受診します。受診の際には、健診施設で用意してもらった紹介状を持参します。分娩施設の中には、妊娠初期に分娩予約が必要なところもありますから、早めに情報収集しておくことが必要になります。
里帰り出産をすると、お父さんの育児参加のスタートが遅れ、父性が育たないのではと心配する声も聞かれます。育児のスタートはもっと前、赤ちゃんの命がお母さんのお腹に芽生えた時から始まります。お父さんはできるだけ妊婦健診に付き添い、超音波画像の中で動く赤ちゃんの姿を見ながら、ドクターの話を聞くことが必要です。赤ちゃんが生まれたらどんなふうに育てたいか、日頃から夫婦でよく話し合っておくことも大切です。帰省までの妊娠期間をそのように過ごしていれば、里帰り出産で少しの間、赤ちゃんと離れていたとしても、父親の自覚が育たないなどという事はありません。

(Anetis 2019 Spring)
(吉村 やすのり)

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