長崎大学医学部学生講義

10月2日、長崎大学医学部の学生に「生命倫理を考える―生殖医療の進歩の中で―」と題して講演をさせていただきました。わが国の生殖医療の進歩には目覚ましいものがあります。世界で初めて体外受精によって生まれたルイーズ・ブラウンさんは40歳になりました。そして自然妊娠で2人の子どもさんをもうけています。


生物学者のエドワーズと産婦人科医のステプトーがヒト体外受精に成功して以来、わが国ではこの生殖補助医療技術を利用して50万人の子どもが誕生しています。今や18.1人に1人が体外受精で生まれていることになります。しかし、この技術がもたらしたものは不妊に悩む夫婦に子どもを授けることだけではなく、卵子提供や代理懐胎、さらには着床前診断を現実のものとしました。しかし、これらの技術は、人間の尊厳・社会の秩序に多大な影響を及ぼしていることを忘れてはいけません。

 

(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。