長崎県市民公開講座「子宮頸がんから守るために― 思春期から始める予防 ―」オンライン開催

長崎県の皆様を対象に、市民公開講座で子宮頸がんが取り上げられました。20代、30代の女性に好発する子宮頸がんは、出産年齢と一致することから、妊娠してから発見されることも多く、不幸にして妊娠が継続できず、子宮を摘出しなければならない状況に陥ることもあります。このことから子宮頸がんは、マザーキラーとも呼ばれています。

 

わが国においては、約7年前にHPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられて以来、ワクチンの接種率はほとんど1%以下となったままです。先進国、途上国を問わず、わが国は世界の中でも大変奇異な政策をとっている国であると考えられています。このようなわが国のReproductive Health and Rightsを軽視する姿勢に対して、繰り返しWHOや様々な国際学会などから、批判の対象ともなっています。これまでの多くのHPVワクチンの有用性に関するエビデンスにもかかわらず、国での専門家による部会などで、適切な検討がいまだ行われていないことは、大変残念なことであります。このまま放置すれば、国の不作為を問われかねない状況に陥っています。
本日のような公開講座を通して、市民の方々にも、子宮頸がんという病気の怖さ、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンお必要性や有用性が御理解いただければ幸いです。

 

(吉村 やすのり)

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