集中治療後症候群(PICS)

PICS(post intensive care syndrome)とは、敗血症や肺炎、手術後の重い合併症などでICUに入り、退室後に様々な不調が発生することをいいます。体力や筋力の低下、記憶障害、不安や心理的外傷(PTSD)が起き、認知機能や精神面にも影響を及ぼします。この概念は2010年頃から提唱され、いわゆる病み上がり症候群です。
海外の研究から、敗血症生存者の3分の1に身体や精神的な障害が残るとされています。軽減や予防には早めのリハビリや、患者家族へのサポートが大切です。早期リハビリには、看護師や理学療法士らとの連携が不可欠です。PICSでは精神的な影響も出るので、精神科医らも交えたチーム医療が理想的です。退院後の患者の生活を支える家族への対策も重要になります。

(2018年7月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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