電動アシスト自転車の増加

 高齢で自動車の運転免許を自主返納した人が、買い物や趣味など生活圏での新たな移動手段として、電動アシスト自転車を購入するケーズが増えています。1990年代に登場した電動アシスト自転車は、子どもを乗せるママチャリとしてのニーズを中心に、すっかり暮らしに根付いています。自転車業界がまとめた出荷台数は、2012年の39万台から2016年には57万台に増えています。
 電動アシスト自転車は、ひとこぎで時速12キロ以上に達するといわれます。加齢に伴い判断力や手足の筋力が衰えているシニアにおいては、若者に比べて歩行者にぶつかったり、転んだりといった事故を招く恐れが高くなります。手軽さから、歩行者の延長との感覚で、歩道走行が当たり前になっています。事故が起こると、自身の被害だけでなく、歩行者などを傷つける加害者になる可能性もあります。高齢化や運転免許の自主返納といった流れを受け、70歳以上専用の自転車保険も登場しています。

(2017年10月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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