預かり保育

 夜まで子どもを預かる保育所と異なり、幼稚園は午後2時頃までに終了してしまいます。夕方以降も園児を預かる預かり保育には、別途利用料金が設定されます。このため、一般的には夜まで子どもを預ける必要のある共働き世帯は、保育所、夕方から家庭で子育てをする世帯は幼稚園と、利用者が使い分けています。近年は、少子化の影響で幼稚園が減少し、出産後も働く女性の増加で夕方以降も子どもを預かる保育所が増えています。国や自治体も保育所の設置を推進しています。2015年の保育所の数は、5年前と比べ約3,000カ所増加しました。
 幼稚園や認定こども園が、夕方以降も園児を預かる預かり保育で特色づくりが進んでいます。幼稚園が特色のある預かり保育を導入する背景には、これまでのような使い分けが続けば、生き残りが難しくなってしまうことがあげられます。幼稚園に配置されているのは、保育士とは異なり幼児教育の有資格者の教諭です。英会話やピアノレッスンにとどまらず、サッカーやアトリエ教室などの習い事が充実しています。子どもの学習能力の向上にとって、預かり保育は保育所より強みがあるとも考えられます。

(2017年2月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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