風疹の流行

国立感染症研究所の発表によれば、今年の風疹の患者が累計で496人になったとのことです。昨年1年間の患者数(93人)の5倍を超え、流行が広がっています。妊婦の感染で胎児に障害が出る恐れがあり、日本産婦人科医会はワクチン接種の呼びかけだけでは流行を抑えられないと判断し、抗体を持たない妊婦はできるだけ外出を避け、自己防衛してほしいと注意喚起しています。風疹は発熱や全身の発疹などの症状が出て、咳などを介して感染します。妊娠20週までに感染すると、先天性風疹症候群といって胎児の心臓や目、耳などに障害が出る場合があります。2012~2013年に大流行した際は、出生児45人が罹患し、11人が死亡しています。
3~9日の新規患者は127人で、首都圏が中心です。学齢期にワクチン接種が義務づけられていなかった30~50代の男性が、全患者の約3分の2を占めています。ウイルスが小さいためマスクの予防効果は低く、2~3週間の潜伏期間にも感染は広がります。企業は従業員のワクチン接種のほか、抗体がない妊婦を出勤させないなど配慮することが大切です。ワクチン接種後の効果が表れるまでは、約3週間を要します。WHOからは、風流行期間中の日本へは妊婦が渡航しないことを推奨しています。

(2018年9月20日 毎日新聞)
(吉村 やすのり)

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