食道がんの治療

 国内では年間24千人ほどが新たに食道がんと診断されています。食道がんは、がんの中でも治療が比較的難しいとされています。日本で見つかる食道がんの最大の要因とみられるのはお酒です。しかも、コップ1杯ほどのビールですぐに顔が赤くなる体質の人は、かつてそうだった人を含め、リスクが大きいとされています。喫煙や緑黄色野菜の不足もリスクを高めます。
 食道がんの外科手術は、胸を開いて食道をリンパ節とともに取り除き、胃を持ち上げてつなぐのが一般的です。しかし、早い段階で見つけられれば、負担の少ない内視鏡治療で完治が期待でき、より確実にがんを取り除く手法も普及してきています。がんの周囲の粘膜を切り、下の層からはがしていく内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、大きながんでも粘膜にとどまっている限り一度に切除でき、局所再発のリスクを大幅に減らせます。治療は2時間ほどで終わり、56日間で退院できます。

(2016年11月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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