食道がんの症状と注意点

食道は、口から食べたものを胃に送る役割を持ちます。食道にがんができると、飲食中に胸のつかえや痛みが出ます。ただ、早期の食道がんは自覚症状がないことが多く、病気が進んだ状態で初めて発見されることも少なくありません。60~70代の高齢男性に多く、主な原因として飲酒や喫煙の影響が指摘されています。特にお酒を飲んで顔が赤くなるタイプの人は注意が必要です。お酒を飲み続けるとアセトアルデヒドという発がん性のある物質が、分解できずに体内にたまってしまい、食道がんになるリスクが高まります。お酒を飲んで顔が赤くなるタイプの人は、過度な飲酒を控え、40歳以上になったら定期的に胃カメラ検査を受けるべきです。
治療は食道の粘膜にがんがとどまる早期であれば、身体への負担が少ない内視鏡で切除ができます。進行の度合いにより、食道をリンパ節とともに取り除き、胃を持ち上げてつなぐ手術や、抗がん剤、放射線治療などを組み合わせます。近年は、胸腔鏡や腹腔鏡による手術が増えてきています。胸やお腹を大きく切らず、痛みも少ないため体への負担が大きくありません。食道がんの治療は、外科、内科、放射線科やリハビリなど多くの診療科が関わる必要があります。

(2018年11月23日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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