首都圏における高齢者の増加

2015年に301万人だった都内の高齢者は、都推計で2040年に394万人となり、その10年後には419万人とピークを迎えます。特に団塊ジュニア世代は非正規雇用率が高く、低収入で単身のまま高齢化する人が増える恐れが出てきます。全国から多くの人を吸い寄せた東京は、近い将来、高齢者の急増に見舞われます。
2045年には、高齢者の50%が8都道府県に集中することになります。特に首都圏に高齢者が激増します。都内では特養の入所待ちが約2万9千人に上り、行き場を探す高齢者は増えています。都内の介護事業所は、慢性的な人手不足に悩み、廃業を余儀なくされるケースもみられます。困窮し身寄りのない孤独死は、格差と超高齢化が同時に進む首都圏の未来予想図です。老いの東京一極集中をどう支えるか、準備に残された時間は少ししかありません。

(2020年8月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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