骨粗しょう症

骨粗しょう症の患者数は、日本国内で女性が約1千万人、男性が約300万人とされています。全世界的にも男性に比べて女性の患者数が3~4倍で、一般的には女性の病気として知られています。女性の場合、50代後の閉経後にホルモンが激減し、骨の密度が下がって発症するケースがほとんどです。男性はホルモンの減少が緩やかですが、病気や痩せ、栄養障害が原因で起こることが多いとされています。病気で多いのは、糖尿病のほか、息切れや咳が続いて呼吸が苦しくなる慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。特にCOPDでは、70代の男性患者のうち、骨粗しょう症の発症率は7割にも及びます。
骨粗しょう症を自覚する決め手には、身長低下が挙げられます。身長が直近の数年間で2~3㎝以上縮んでいると骨折している可能性が高いとされています。骨折部位のうち、特に問題となるのが大腿骨頸部と呼ばれる太ももの骨折です。一般的に男性の発生頻度は、女性の3分の1ですが、発生後の死亡率は男性の方が高くなっています。超高齢化社会を迎え、高齢者人口の増加とともに、男性の骨粗しょう症患者が一段と増えると考えられています。女性の病気だという思いこみを外し、男女問わず全世代で骨の健康に関心を持つ必要があります。

(2018年12月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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