骨髄移植をするための課題

骨髄移植は、正常な血液細胞を作れない白血病の治療の一つです。健康な人の骨髄などから採取した造血幹細胞を点滴して移植します。移植を待つ患者は約2,100人に対し、ドナー登録者は約52万人です。患者とドナーは白血球の型が適合する必要があり、その確率は、兄弟間が4分の1、非血縁者間が数百~数万分の1です。

骨髄移植の提供者になるには様々な手続きが必要になります。一般的には、コーディネーターからの説明後、血液検査を受け、家族の同意を取り、健康診断を受ける必要があります。骨髄を採取する時の血圧低下や提供後の貧血に備え、採血します。骨髄を取るための入院は3泊4日で、退院後は経過を確認する健診もあります。断続的に10日ほど仕事を休むことになります。
ドナー休暇制度を導入する企業が増えてきています。2019年度は499社で、2018年度末の358社から大幅に増えています。国家公務員は人事院規則で既にドナー休暇が規定されています。ドナー休暇が求められるのは、ドナーになるための検査などで必要な10日間が、働く世代には重い負担になるからです。ドナー登録ができるのは18~54歳です。骨髄バンクによると、白血球の型(HLA)が適合しながら、ドナー側の事情で提供に至らなかったケースの35%は、病気があるなどの健康上の理由でした。残りの65%のうち、半数近くは仕事を休めないなど都合がつかないことが理由です。

(2020年1月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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