高等教育の収益率

 高等教育に関する個人にとっての収益率とは、大学進学でかかる追加的な私的費用に対して、賃金がどれくらい高卒より高くなるのかをみる指標です。一方、財政にとっての収益率とは、財政が負担する費用に対して、どれくらい税や保険料収入が増えるかの指標です。
 これらの収益率を経済協力開発機構(OECD)が各国の高等教育について計算した結果によれば、日本は、財政にとっての収益率が20%以上と群を抜いて高いのですが、個人にとっての収益率は加盟国中で最低水準です。このアンバランスを是正しないと、若者にとって高等教育が有利な投資機会ではなくなってしまいます。高等教育の投資効率を向上させるような改革が必要になります。

(2017年3月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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