高齢者のがん

 2012年にがんと診断された人は約865千人です。このうち約4割は75歳以上で、約7割は65歳以上が占めています。2025年には高齢者は人口の3割に達すると推計されており、高齢のがん患者はさらに増えると見込まれています。高齢者の場合、全身状態が悪く標準的な治療があてはまらないこともあり、年齢だけでは決めにくい難しさがあります。
 国立がん研究センターの調査によれば、進行した肺がんでは、75歳未満は抗がん剤治療をした人としなかった人で延命効果に差が出ましたが、75歳以上では大きな差は見られませんでした。がん治療の柱の1つである抗がん剤は、吐き気や痛みといった副作用を多く伴います。日本臨床腫瘍学会と日本癌治療学会は、日本老年医学会の協力を得て、高齢がん患者の抗がん剤治療についての診療指針作りを進めています。

(2017年6月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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