高齢者ドライバーの限定免許

 75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故件数は横ばいですが、全体の交通死亡事故が減る中、割合は増加傾向にあります。警察庁の有識者会議は、高齢ドライバーによる交通事故の防止策を議論してきました。運転能力などに応じて運転できる車両や地域、道路などを限った限定条件付き運転免許の検討を求める提言をまとめました。提言では、限定免許の条件として最高速度の制限など車両の機能のほか、地域や走行できる道路を制限することなども示しています。地域は自宅周辺、道路は一般道などに限定することとしています。年齢で区切った一律の対応では、身体機能の低下などには個人差があるとして不適当としました。
 認知症対策では、今年3月施行の改正道路交通法で、免許更新時などに行われる認知機能検査で認知症の恐れと判定された場合、医師の診断を受けることを義務付けています。現状では、免許の取り消しや停止の処分までには最長45カ月かかります。提言では認知症の恐れと判定された段階で早期に対応することが必要としています。こうした限定免許は、高齢者ドライバーを守るためにも必要な措置と思われます。

(2017年6月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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