8020運動

80歳で20本以上の歯を持つ、いわゆる8020運動は1989年に始まりました。それまでの歯科保健は、母子分野に重点が置かれており、成人期の歯周疾患対策などの不十分さが問題となっていました。そこで誕生した目標が、8020運動です。運動が始まって以降、80歳で20本以上の歯を持つ人の割合は1993年で10.6%、2005年に25.0%と伸び続け、2016年には51.2%と推計されています。健康日本21では、2022年までに8020達成者を50%と設定しているので、国の目標を6年も早く達成したことになります。

口腔機能の低下である残存歯数の低下(20本未満)、咀嚼能力の低下、滑舌低下、舌運動の低下、噛めない食品の増加、わずかなむせの6つのうち、3つ以上を満たすと、2年後の身体的フレイル、サルコペニアの新規発症リスクは、約2倍に高まるとされています。さらに2年経つと、要介護新規認定と総死亡リスクも約2倍になります。口腔機能の低下から心身の機能の低下につながる負の連鎖を、いち早く断ち切ることが大切です。

(家族と健康第778号)
(吉村 やすのり)

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