8050リスクとは

8050問題を抱える家庭では、ひきこもりや親の介護、病気などを背景に、子が社会参加できていないことが多くなっています。親が恥と受け止めてしまい、助けを求めないことが多くなっています。困窮や孤立が深まれば、共倒れになりかねません。子は年齢を重ねるほど、就職などが難しくなり、十分な貯蓄がないと生活費を親に頼り続けることになります。内閣府は、昨年40~64歳でひきこもり状態の人が全国に約61万人いるとの推計を公表しています。
国民生活基礎調査による試算では、8050問題に陥るリスクを抱えやすい家庭が、全国で2013年に約57万世帯と推計されています。親子の年代別の構成では、7040(親が70代、子が40代の世帯)が全体の46%で、8050が20%、6040が14%と続いています。リスク家庭の子の回答内容を分析すると、40代は就業を希望する割合が50代より高くなっています。家族の介護や健康への不安から、すぐに仕事に就けないと答えた人も5割弱いますが、意欲はあるのに働けない、状況に見合った仕事が見つからない人が多いように思われます。この仕事に就けない40代のひきこもりをいかにして社会復帰させるかが今後の課題です。

(2020年3月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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