人工知能とは

 人工知能とは、Artificial Intelligence(AI)の和訳で、推論や連想、学習など人間のような知能を持つコンピュ-タ-のことを指します。一般的なコンピュ-タ-は人間の生命に従って情報を処理するが、人工知能はデータの意味を自ら解釈し、適切な処理方法を選んで実行するのが特徴とされています。日本IBMと東京大学医科学研究所は、最新鋭のこの人口知能であるコンピュ-タ-、ワトソンを使ったがん治療を開発しようとしています。東大がもつ日本人患者のデータなどを集め人工知能で分析し、遺伝子情報をもとに個別の患者に適した治療方針を最短10分程度で導き出すというものです。がんのかかりやすさには人種や地域の差があります。日本で研究成果を上げれば、アジア人へのがん治療にも応用が期待出来そうです。
 日本IBMは、国内外の論文や薬の効能などの最新のデ-タをワトソンに蓄積します。ワトソンは、文章が理解できるための大量のデ-タを短時間で読み込むことができます。東大医科研は日本人のがん患者の血液や組織から採取した遺伝子デ-タなどを入力することにしています。がん関連にする遺伝子変異は多く、専門医などが膨大な論文や治療デ-タなどを調べて分析する必要があります。ワトソンは、人手による作業より1000倍以上早く、数週間かかる作業を1020分程度に短縮できます。最適な治療法を早く見つけられれば、がんが進行する前に患者は効果的な治療を受けることができるようになります。

(2015年7月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。