ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは

終末期医療を巡っては、厚生労働省が2007年に患者本人の意思決定を基本とし、医療行為の中止などを慎重に判断すべきだとする指針を定めています。この指針は病院での活用を想定していましたが、多死社会を見すえて、今年3月に指針を改定しています。自宅や介護施設にも対象を拡大し、患者や家族などと繰り返し話し合って治療内容を決めるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を盛り込んでいます。終末期の治療方法や療養場所などについての考えを家族や医師などと話し合うというものです。
ACPについて、患者が意思表示できるうちから自らが望む治療内容や療養場所などを繰り返し話すことで、より自分らしい最期が迎えやすくなると期待する声もあります。ACPを実践している医師は3割程度であり、ACPを知らないと答えた医師は4割にも上っています。かかりつけ医の役割が重要となりますが、医療現場では医師の間に温度差があり、普及には課題が残っています。ACPが普及し、患者が元気なうちに自分の考えを周囲に伝え、蘇生などについて基本的な考えを書面にまとめれば、本人が望む尊厳ある最期が増えることになると思われます。

(2018年11月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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