iPS細胞で心臓病治療

 大阪大学の研究チームは、iPS細胞から作製した心臓の筋肉(心筋)のシートで重い心臓病患者を治療する臨床研究を、学内の審査委員会に申請しました。iPS細胞を利用する心臓病治療の申請は初めてです。計画では、iPS細胞を心筋細胞に変化させて直径数㎝の円形シートに加工します。心筋梗塞などで心機能が低下した重症の虚血性心筋症患者の心臓に貼りつけます。移植後は1年間、安全性や心機能の改善効果を模索します。
 iPS細胞は、京都大学が備蓄しているものを使用します。患者自身から作るよりコスト削減につながり、移植までの期間も短縮できます。心筋細胞のシートを移植することにより、心臓のポンプ機能や、再生を促す効果が向上することを期待しています。虚血性心筋症など重症の心不全患者は国内に数万人いるとされ、これまでは心臓移植が実施されていました。

(2017年7月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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