iPS細胞による視細胞作製

理化学研究所などのチームは、様々な細胞になれるiPS細胞からつくった視細胞を、失明のおそれがある目の難病の患者に移植する臨床研究を申請しました。研究の対象は、主に遺伝が原因で視細胞の性質が変わる病気である網膜色素変性症の患者です。暗い場所で見えにくくなったり、視野が狭まったりします。国内の患者は約4万人で、確立した治療法はありません。
臨床研究では、京都大iPS細胞研究所が備蓄しているiPS細胞から、視細胞の元になる未熟な網膜組織をつくって、直径1㎜ほどのシート状にし、患者の目に移植します。移植した細胞は目の中で成熟して視細胞となり、神経とつながれば、光を感じられるようになります。患者の視野を広げたり、病気の進行を遅らせたりするのが目的です。

(2019年12月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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