iPS細胞による角膜移植

大阪大学の研究チームは、ヒトのiPS細胞から角膜の細胞を作り、角膜を損傷した患者に移植して再生する臨床研究計画を、1月中に厚生労働省に申請する予定です。角膜は、目の中央にある直径約11ミリ、厚さ約0.5ミリの透明な膜で、レンズの役割を持っています。病気やけがで損傷すると視力低下や失明に至ります。
計画では、角膜部分が濁り視力障害などを起こす角膜上皮幹細胞疲弊症の重症の成人患者4人に、京都大学に備蓄された他人のiPS細胞から作った角膜の細胞を培養し、厚さ0.05㎜のシート状にした上で数百万個の細胞を移植します。iPS細胞で懸念される腫瘍化が起きないかなど、安全性や有効性を検証します。提供された角膜を移植する治療法は既にありますが、提供者の確保が必要なほか、拒絶反応の心配があります。

(2018年12月27日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

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