iPS細胞を用いた血小板輸血

京都大学の研究チームは、様々な細胞になれるiPS細胞から、出血を止める働きをする血小板をつくり、血液の難病である再生不良性貧血の患者に輸血したと発表しました。再生不良性貧血は、血小板などが減少して出血しやすくなる難病で、国内患者は約1万人です。重度の場合の治療法は献血で集めた血小板の輸血ですが、特殊な免疫型の患者は拒絶反応が起きて輸血ができない課題がありました。
チームは患者自身の血液細胞をもとにしたiPS細胞から、血小板を作製しました。昨年5月から今年1月にかけて計3回、それぞれ100億個、300億個、1千億個の血小板を患者に輸血しました。iPS細胞から血小板をつくった後、放射線を照射し、腫瘍になるリスクがある細胞を除いています。今後は1年間、患者の経過を観察し、副作用の有無などの安全性や、血中の血小板数の変化といった有効性を調べます。

(2020年3月26日 産経新聞)
(吉村 やすのり)

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