Onco-Women’s Healthとは―Ⅲ

Onco-Women’s Healthの重要性
がん治療による直接的または間接的影響により、生殖機能の障害が発生します。抗がん剤治療や腹部・骨盤への放射線照射は、卵巣・精巣に直接的に作用し、配偶子形成の障害のみならず、男性・女性ホルモンの分泌低下を引き起こします。また、頭部への放射線照射は、視床下部・下垂体の機能低下を引き起こし、間接的に性腺機能低下を引き起こします。女性では、卵巣からの女性ホルモンの分泌低下は子宮発育不全を引き起こし、妊娠が成立しても周産期予後が不良となります。
女性では、早発卵巣不全によるエストロゲンの低下は、生活習慣病の発生を助長します。すなわち、小児・AYAがんサバイバー女性においては、女性の生涯を通じての長期的なフォローアップ体制の構築と医療介入が重要となります。がんサバイバー女性におけるヘルスケアであるOnco-Women’s Healthに関するわが国の現状の把握と管理指針の策定が望まれます。

(Oncofertility Consortium JAPAN News Letter 2019年6月20日発行)
(吉村 やすのり)

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