子宮内膜症は、慢性疼痛、不妊、チョコレート嚢胞のがん化、妊娠異常などの原因となり、現代女性のQOLを生涯にわたって著しく阻害します。生殖年齢女性のおよそ10%に発生すると推定されていますが、不妊、晩婚化および少子化は女性の生涯月経回数を増加させて発生増加に結びつくと危惧されています。産婦人科医にとっては日常診療で頻繁に遭遇するcommon diseaseです。
このたび、鳥取大学医学部付属病院長の原田教授が、「子宮内膜症の診かた,考えかた」を中外医学社より上梓されました。子宮内膜症は、原田先生のライフワークであり、基礎から臨床にいたるまでの全てが記されています。衣鉢を伝う名著です。
(吉村 やすのり)