2014年の国内の自殺者約2万5千人のうち、その2割はうつ病が原因です。うつ病を含む気分障害の14年の患者数は約111万6千人であり、1996年の2.6倍にも達しています。自殺とうつ病による経済的損失は、年間2兆7千億円との推計もあります。
対策の第一歩は、客観的に病気を見抜くことにあります。現在は医師の問診が中心ですが、多くの人は精神科の受診に対し抵抗感を抱きます。脳の血流を測って識別する光トポグラフィー検査が保険治療として認められ、新たな技術の開発も進んでいます。うつ病になると血液中のリン酸エタノールアミン(PEA)の濃度が低くなることが明らかにされ、血液検査で濃度を測り、医師の診断を補強するバイオマーカーなどの開発を進められています。
(2016年1月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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