かくれ脱水

乾燥する冬は、気づかないうちに体から水分が失われ、脱水症の前段階であるかくれ脱水になりやすくなります。脳梗塞や心筋梗塞が発症するリスクの一つとされています。脱水症は、体重の2~3%の水分が失われた状態を指しますが、かくれ脱水では1%です。体内の水分は汗のほか、皮膚からの蒸発などにより無意識のうちに失われ、乾燥する冬はこの傾向が強まります。
暖房の使用で、屋外より湿度が10~20%低くなる室内では、さらに水分は失われやすくなります。住宅の気密性向上により、外気を取り込んで、加湿する機会も減ります。冬場は夏よりものどの渇きを感じにくく、水分を積極的に取らない人も多くなります。乾燥が進んで体内から水分が出てしまうと、血液が濃くドロドロの状態になり、血栓ができやすくなります。血管に血栓が詰まると、脳梗塞や心筋梗塞につながります。

(2018年12月22日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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