1981年以降、死亡原因の1位はがんです。現在も年間約98万人が罹患し、約37万人が死亡しています。人口10万人当たりの死者数も右肩上がりで増え、2014年は50年の約3.8倍に達しています。胃がんによる死者は、早期発見・治療が進んで大きく減少しました。大腸がんや肺がん、肝臓がんも集団検診の普及で、90年代後半から少なくなってきています。50年前、がんの5年生存率はゼロに近かったのですが、今や全ての平均で50%以上になってきています。死に至る病から長く付き合う病に変わってきています。
国は、2007年にがんの罹患死亡率の低下を目指してがん対策基本法を施行しました。予防から治療に至るまで、総合的に充実させる施策を推進中です。治療法でも、手術支援ロボットや免疫療法などめざましいものがあります。今年1月には、全ての患者の情報をまとめて集計、分析して対策に活用する全国がん登録も始まりました。
(2016年1月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)
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