がんの患者数

 がんは30年以上にわたって日本人の死因1位です。高齢化の進展とともに患者数は増えています。今月よりがんと診断された人のデータを国が集計、分析する全国がん登録が始まり、治療体制の整備や研究に役に立つと期待されています。人口動態統計によると、2014年にがんで亡くなった人は約368千人で、死亡総数に占める割合は28.9%を占めています。がんが脳卒中を抜いて日本人の死因トップになった1981年と比べ、死者数は2.2倍に増えています。国立がんセンターは、15年の新規罹患数が98万例(男性56万例、女性42万例)になると予測しています。
 がん登録でがん患者の診断、治療、予後などの情報を集めます。これらを分析し、有効な治療法を見つけ出したり、適正な治療体制の整備に役立てたりするのが目的です。これまでは病院レベルや自治体レベルで実施されていましたが、情報の漏れや重複がありました。全国がん登録は、法律に基づき医療機関や自治体から集まる情報を国のデータベースで一元管理するため、国内の全体像を正確につかむことができるようになります。


(2016年1月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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