がん・生殖医療助成の拡大

厚生労働省の研究班の調査によれば、若いがん患者が治療後に子どもを産める可能性を残すための精子や卵子の凍結保存に対する助成が、神奈川県や和歌山県など8県で新たに公的助成制度の創設を予定されていることが分かりました。6府県が既に導入しており、経済的負担を軽減するため動きが拡大する一方、自治体によって対応にばらつきも出てきています。2019年度中に創設予定と答えたのは、神奈川、静岡、三重、和歌山、香川、高知の6県で、2020年度以降としたのは、茨城、長野、長崎の3県でした。
抗がん剤や放射線によるがん治療は、精巣や卵巣にダメージを与え、生殖機能を低下させる恐れがあります。このため、治療前に精子や卵子を取り出し凍結保存する方法があります。日本癌治療学会は、2017年に凍結保存の標準的な方法に関する指針を作成しています。しかし、凍結保存の費用は、1回数万~数十万円と高額で、公的医療保険が利きません。そのため、経済的理由で断念するケースもあります。こうしたがん・生殖医療に対する公的助成が全国レベルで展開され、国からの支援を受けられるようになることが強く望まれます。

(2019年7月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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